天壌無窮
永遠に続く天地の恵みとともに
藤井酒造の企業理念「天壌無窮」には、
自然の恵みと共に在り続けるという、
変わらぬ志が込められています。
自然の摂理に学び、
地域の文化と調和しながら、
人の暮らしを豊かにするものを育む──
それが、私たちの原点であり、これからも変わらぬものづくりの姿勢です。

竹原という風土とともに
蔵を構える竹原は、
瀬戸内海沿いに佇む静かな町。
「安芸の小京都」とも称される
歴史あるこの地には、
今も木造建築や寺社が残り、
穏やかな時間が流れています。
この地に160年以上根ざし、
自然の恵みと文化に育まれてきたことは、
酒質や哲学に大きく影響を与えています。
明治には全国の品評会で高い評価を受け、
以降もこの土地ならではの水や空気、
時間を活かした酒造りを続けています。

生酛と自然発酵への回帰
創業当初より80年間、
すべてを「生酛」で仕込んでいましたが、
時代の流れにより一時中断。
2008年
5代目蔵元・藤井善文が生酛造りを復活。
2023年
6代目・藤井義大のもと、
再び全てのお酒へと回帰しました。
私たちが守るべきは、技術だけでなく、
蔵に宿る空気、棲みつく菌、
そして蓄積された時間。
それらを「場」として未来へと
手渡していくことが、私たちの使命です。

Collections
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龍勢 Limited Series
日常のそばに、静かな余韻を。 龍勢 Limited Series は、季節のうつろいや米の個性に寄り添いながら、日々の暮らしに、そっと彩りを添えるシリーズです。 仕込みはすべて、酵母も乳酸菌も添加しない古式生酛。竹原の蔵に棲みつく微生物たちが、代々の酒造りを静かに受け継ぎ、一本一本に、自然と空間の記憶を映し出します。 ベースにあるのは、龍勢らしいやわらかな口当たりと、しなやかな酸。そこに用いる酒米の違いや、季節ごとの設計を重ねることで、それぞれが異なる表情と余韻を持つ酒に仕上がっています。 新酒では、冷やしてみずみずしく。熟成を重ねた酒は、常温や燗で奥行きを。開栓後もゆるやかに移ろいながら、飲み手の日常に静かに寄り添っていきます。 構えずに、けれど丁寧に。自然とともにある酒の時間を、どうぞご自分のペースでお楽しみください。 ※本シリーズはオンラインでの販売を行っておりません。全国の特約店様にてお買い求めください。
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龍勢 Classics
変わらぬ芯を、静かに受け継ぐ。 明治の世、日本初の全国清酒品評会にて「最優秀第一位」を受賞した酒──龍勢。その誉れを受け継ぎ、藤井酒造の中核をなすのが、この「龍勢 Classics」です。 米の旨み、穏やかな香り、そして芯のある酸。それはまるで、蔵そのものの記憶を映す“骨格”のよう。過度な装飾を排し、本質だけを静かに際立たせた一杯です。 時代の流れに迎合せず、けれども立ち止まらず、「変わらないこと」の中に、確かな進化を宿す。そんな信念をかたちにしたシリーズです。
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龍勢 別格品
静けさの奥に、極まる一滴を。 藤井酒造の醸造理念「不易流行」──変わらぬものに静かに寄り添いながら、変わることを恐れず、その年、その米、その環境と真摯に向き合うこと。『龍勢 別格品』は、その理念をもっとも丁寧に体現した特別なシリーズです。 使用するのは、蔵が長年向き合ってきた4種の酒米──八反錦、八反35号、山田錦、雄町。それぞれの米が持つ個性と、その年ごとの自然の表情に耳を澄ませ、設計は毎年一から見直され、たった一度きりの仕込みにすべてを注ぎます。 仕込みは、酵母も乳酸菌も添加しない古式生酛。竹原の蔵に棲みつく微生物たちとともに、時と対話を重ねながら、一本の酒にその年の記憶と土地の気配を映し出していきます。 その味わいは、ただの完成形ではなく、今という時代への静かな問いかけ。寄り添いながらも揺るがず、慎ましさの中に誇りを宿す、自然のうつろいや目に見えぬ営みに、静かに敬意を込めて。
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龍勢Lab. Works.
まだ正解のない、日本酒のかたち。 龍勢 Lab. Works.は、蔵人の「こんな酒、造ってみたらどうだろう?」という問いから始まる、試験醸造シリーズです。 毎年テーマを変えながら、使うお米や酵母、仕込みの方法など、さまざまな実験を行っています。伝統の技をベースにしながらも、新しいアイデアや視点を取り入れることで、これからの酒造りのヒントを探っています。 このシリーズは、定番商品のように完成されたお酒ではありません。けれど、だからこそ感じられる魅力や楽しさがあります。 定番にはない意外性や、新しい味わいとの出会いは、まさに造り手との共有体験。完成された「答え」ではなく、「試み」の面白さを、どうぞお楽しみください。